はじめに
出産後、多くの女性が経験する抜け毛や薄毛。
鏡を見るたびに増える抜け毛に、不安を感じるママも少なくありません。
産後の抜け毛は、ホルモンバランスの変化や慣れない育児によるストレス、睡眠不足などが原因で起こります。
しかし、正しい知識を持ち、適切なケアを行うことで、抜け毛・薄毛を最小限に抑えることができるのです。
本記事では、産後の抜け毛のメカニズムや対策について、詳しく解説していきます。
抜け毛・薄毛に悩むママの助けになれば幸いです。
産後の抜け毛が起こるメカニズムを詳しく解説
産後の抜け毛は、「分娩後脱毛症」や「産後脱毛症」とも呼ばれ、出産後のママの多くが経験する症状です。
その原因は、大きく分けて2つあります。
1. ホルモンバランスの変化
2. 慣れない育児によるストレスや睡眠不足
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
ホルモンバランスの変化が与える影響
産後の抜け毛の主な原因は、ホルモンバランスの変化です。
女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、妊娠中に大量に分泌され、髪の成長を促進します。
エストロゲンは、毛母細胞の活動を活発にし、髪の成長を促す働きがあります。
一方、プロゲステロンは、髪の成長期を延長させる効果があります。
しかし、出産後、これらのホルモンの分泌量が急激に減少します。
すると、妊娠中に成長期にあった髪が一斉に抜け落ち、抜け毛が増加するのです。
エストロゲン不足は、髪の成長サイクルを乱し、髪を細く弱くします。
その結果、白髪や抜け毛が増えてしまうのです。
また、ストレスによってコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されると、エストロゲンの働きが阻害されます。
コルチゾールは、毛母細胞の活動を抑制し、髪の成長を妨げてしまいます。
ストレスが慢性化すると、白髪や薄毛のリスクがさらに高まるでしょう。
更年期が近づく40代後半になると、エストロゲンの分泌量が急激に減少します。
これにより、男性ホルモンの影響が強くなり、男性型脱毛症（FAGA）を引き起こす可能性があります。
FAGAでは、髪が細くなるだけでなく、頭頂部や生え際から薄毛が進行していきます。
慣れない育児によるストレスや睡眠不足の影響
産後の抜け毛には、ホルモンバランスの変化だけでなく、ストレスや睡眠不足も大きく関係しています。
出産後は、慣れない育児に追われ、十分な睡眠がとれない日々が続きます。
夜泣きや授乳で眠れない夜、家事や育児に追われる日中。
そんな生活の中で、ストレスが蓄積されていくのです。
ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、血行不良を引き起こします。
頭皮への血流が減ると、毛母細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、髪の成長が阻害されます。
また、ストレスは活性酸素を増加させ、髪を傷つける原因にもなります。
活性酸素は、髪のタンパク質を分解し、髪を脆弱化させます。
ストレスが慢性化すると、髪のダメージが蓄積し、白髪や抜け毛につながるでしょう。
睡眠不足も、髪の健康に大きな影響を与えます。
睡眠中は、成長ホルモンが分泌され、髪の成長が促進されます。
しかし、十分な睡眠がとれないと、成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長が滞ってしまいます。
また、睡眠不足はストレスを増大させる要因にもなるため、白髪や薄毛のリスクがさらに高まるでしょう。
産後の抜け毛を最小限に抑えるための生活習慣
産後の抜け毛を防ぐためには、ホルモンバランスの安定と、ストレス・睡眠不足の解消が重要です。
ここでは、産後の抜け毛を最小限に抑えるための生活習慣をご紹介します。
バランスの取れた食事を心がける
髪の健康を維持するためには、バランスの取れた食事が欠かせません。
タンパク質、ビタミン、ミネラルを意識的に摂取することが大切です。
タンパク質は、髪の主成分であるケラチンの材料になります。
肉類、魚類、大豆製品などから摂取しましょう。
ビタミンB群は、髪の成長を促進し、ビタミンCは、コラーゲンの生成を助けます。
また、亜鉛は、髪の主成分であるケラチンの合成に関わっています。
十分な睡眠をとる
髪の健康を維持するためには、十分な睡眠が欠かせません。
産後は3時間おきの授乳で、眠れたとしても細切れ睡眠。
授乳→片付け→あやして…としていたら、眠るひまもなく次の授乳なんてこともありがちですよね。
とにかく、眠れるときは眠りましょう。
赤ちゃんが寝たら一緒に寝る。
お父さんやおばあちゃんが預かってくれている間に寝る。
細切れでも、隙間をぬって休んで下さいね。
ストレス管理を行う
ストレスは、産後の抜け毛の大敵です。
ストレスを溜め込まないように、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
家族や友人に育児の悩みを相談したり、助けを求めることも大切です。
ファミリーサポートや家事代行も、このときばかりは積極的に使いましょう。
産後に無理すると、あとを引きます。
頭皮マッサージを行う
頭皮マッサージは、血行を促進し、髪の成長を助ける効果が期待できます。
シャンプー時や、テレビを見ながらなど、日常的に頭皮マッサージを取り入れてみましょう。
指の腹で頭皮を優しく刺激することで、頭皮の血流が改善され、髪に栄養が行き渡りやすくなります。
優しいヘアケアを心がける
産後は、髪が傷つきやすい状態にあります。
高温のヘアアイロンやドライヤーの使用は控えめにし、髪を傷つけないようにしましょう。
シャンプーは、弱酸性のものを選び、髪を優しく洗うことが大切です。
また、ヘアトリートメントは、髪の状態に合わせて適度に行うようにしましょう。
産後の抜け毛に関するよくある質問
Q1. 産後の抜け毛はいつまで続くの？
個人差はありますが、多くの場合、産後6ヶ月〜1年ほどで抜け毛は落ち着いてきます。
ただし、ストレスや睡眠不足などの要因が続く場合は、抜け毛が長引く可能性があります。
Q2. 産後の抜け毛は治療が必要？
産後の抜け毛は、ほとんどの場合、自然に回復します。
ただし、抜け毛が著しく多い場合や、1年以上続く場合は、皮膚科や産婦人科に相談することをおすすめします。
他の疾患が隠れている可能性もあるため、専門医の診断を受けることが大切です。
Q3. 産後の抜け毛を予防する方法はある？
完全に予防することは難しいですが、ストレス管理や睡眠の確保、バランスの取れた食事など、生活習慣を整えることで、抜け毛を最小限に抑えることができます。
また、頭皮マッサージや優しいヘアケアを心がけることも大切です。
まとめ
産後の抜け毛は、ホルモンバランスの変化や、ストレス、睡眠不足が原因で起こります。
抜け毛を最小限に抑えるためには、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理が大切です。
また、頭皮マッサージや優しいヘアケアを心がけることで、髪の健康を維持することができます。
産後は、育児に追われ、自分の髪のケアまで手が回らないこともあるでしょう。
しかし、少しずつでも、自分の髪と向き合う時間を作ることをおすすめします。
髪が健康になれば、きっと自信も持てるようになるはずです。
産後の抜け毛に悩むママが、本記事を読んで少しでも安心できれば幸いです。
ママの髪が、再び健康で美しく輝く日が来ることを願っています。
